プラットフォーム戦略

 

米「フォーブス」誌に毎年発表される億万長者ランキングには企業を一代で築き上げた創業社長が多い。マイクロソフトやグーグルの創業者、日本ではソフトバンク、楽天、グリーなどの創業者たちだが彼らに共通するものがある、それはプラットフォーム戦略。

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プラットフォーム戦略とは、「複数のグループのニーズを仲介することによってグループ間の相互作用を喚起し、その市場経済圏を作る産業基盤型のビジネスモデル」をいう。つまり、複数のグループを共通の「場」(プラットフォーム)に乗せることによってシナジー効果を創造し、一社だけでは創出できない総体的な価値を生み出す戦略だ。上述した企業たちはすべて「場」を提供するプラットフォーマーたちである。ゆえにプラットフォーム戦略は億万長者のビジネスモデルともいわれる。

 

楽天を例にあげてみると、楽天はインターネット上のショッピングモールという仮想空間(場)を出店者に提供し、彼らはそこに利用料を支払って出店する。出店者からすると知名度のない店舗がシステムを構築しネットで販売するよりも楽天というブランドを利用することにより効率的に集客できるというメリットがある。出店者が増え品数が豊富になるほどユーザーも増え、ユーザーが増えればさらに出店も増えるという好循環が生まれる。一方でプラットフォーマーである楽天は店舗が増えユーザーが増えるほど利益が上がるというシステムだ。

 

著者は以前NTTドコモに在籍時このプラットフォーム戦略により「おサイフケータイ」の普及に成功させている。本書にはその経験を踏まえつつ様々な企業のプラットフォーム戦略の事例を紹介し導入におけるヒントを提供してくれる。

 

アップルやアマゾンなどを例に出すまでもなく、グローバル企業はいとも簡単に国境を超え多くの企業をそのプラットフォームに飲み込んでいく。うまく利用するか、飲み込まれるか。もはやプラットフォーム戦略を知らずして21世紀のビジネスは語れない。

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