税理士事務所を開業して5年の振り返り

税理士事務所を開業して5年が経ちました。

思えばあっという間の5年でした。

後ろを振り返る間もなく、ひたすら前に前に走り抜けてきた気がします。多くの失敗もし反省もしましたが、それ以上に多くの感謝をいただき、税理士だからこそ依頼され解決できた案件も多く、資格の持つパワーを強く感じます。

感覚としては、ジョジョのスタンドがついているような感じで、クライアントの税務問題をオラオラとスタンドが蹴散らしてくれるような気がします。

税務においては、法人税の確定申告を基本としつつ、所得税の確定申告や相続税申告、そして税務調査対応と一般的な税理士業務をこなしてきました。

また、国内税務のみならず、韓国や中国などとの海外税務にも対応してきました。わからないことがあれば調べたり、先輩税理士などに聞いたりしてその都度勉強して対応してきました。

自分の業務スタイルとしては、未経験分野の仕事が来ると、経験がないからできませんと断るのではなく、基本的には引き受けてそこから必死で勉強して対応し、さらに連携のある諸先輩方の協力をいただき、成果物を作り上げます。その過程で諸先輩方の知恵とテクニックを学び、自分自身も経験値を獲得し、レベルアップしてきたように思います。

この5年間振り返ってみて何よりも強く思うことは、「税理士業務、すばらしい」。

この日本において税理士というだけで既に一定の社会的な信頼が形成されており、税理士として自己紹介する前後での相手の反応が大きく変わるというケースが多々ありました。

外形だけでなく業務内容についても、一般人には扱いづらい複雑怪奇な税務をこなす人ということでやはり感謝されたり一目置かれたりします。

税務は会社を経営するしないに関わらず、サラリーマンや主婦など全ての人に関わってくるので、税務を通して他人との新たな接点が増える場面が多いです。もともと人見知りな私も仕事を通じて人と話す機会が増えたように思います。(仕事じゃないと話せません)

業務スタイルも全てクラウド化しているのでノートPCひとつでいつでもどこでも仕事ができ、ミーティングもオンラインにすれば日本にいなくてもできてしまいます。(早くe-taxもMac対応して!)

時間と場所に縛られず、価値ある業務をこなし、多くの感謝をいただく税理士と言う仕事は、本当にやりがいのある仕事と思います。

一方で、リスクがないわけではありません。

むしろミスをしたときのリスクは大きいと言えるでしょう。

仮に税理士がミスをして納税者に損害を与えた場合には納税者から賠償しろと訴えられるケースがあります。大きな金額を扱う場合は賠償させられる金額も増えます。そのリスクを恐れて開業しないという税理士は少なくないでしょう。そのリスクをカバーするための税理士賠償責任保険という税理士向けの保険があるほどです。

リスクというと怖いですが、そのようなミスをしない仕組みを作り、チェックを二重三重にし、常に知識をアップデートし、納税者と信頼関係を深める必要があります。

よく医者と対比して語るのですが、医者には外科医と内科医と分かれているように特定の分野を専門的にカバーし専門外の分野はあまり詳しくないのが一般的なのに比べて、税理士は法人税、所得税、消費税、資産税などと税目は多岐にわたるのにその全てをカバーしていなければならないようなイメージがあります。しかもその各税法は毎年改正に改正を重ねてくるので、日々キャッチアップしていく必要があります。

日々自己研鑽すべき対象が存在し、そこで得た知識と情報で納税者の財産を保護し、感謝される。

もうやり甲斐しかありません。

税理士を目指す人には、是非最後まで頑張ってなって欲しいし、科目合格で諦めちゃう人には本当にもったいない、あともう少し頑張れ!と言ってあげたいです。

そこで税理士としての今後についてですが、振り返ると依頼が来た業務に受け身で対応する機会が多く、実務対応に忙殺されていたという言い訳で、知識をアップデートし積極的に発信したり提案する場合が少なかったと思います。

インボイスが導入される前後には結構呼ばれて講演する機会もありましたが、最近は呼ばれる機会も減り、生きてるの?と心配の連絡をもらったりもします。

今後はもっと自分と向き合い、不真面目な自分を律し、自分を常にアップデートし、税理士としても人としても進化すべく、まずはクライアントたちに向けて彼らのためになる情報を積極的に発信していこうと思います。

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