アンゾフという人は、企業の成長戦略について、製品と市場という二つの軸によって説明した。
既存製品 | 新製品 | |
---|---|---|
既存市場 | 市場浸透 | 新製品開発 |
新市場 | 市場開拓 | 多角化 |
まず、市場浸透。
既存の市場において自社の製品をより多く販売する戦略が考えられる。
たとえば、製品のサイズを小さくしてみたり、セットで販売したり、時間帯を変えてみたりなどである。
次に、市場開拓。
既存の製品について既存の市場が飽和状態であるならば、それを新しい市場で販売する戦略が考えられる。
たとえば、日本で販売していたものを海外で販売することである。
さらに、新製品開発。
既存の市場において新しい製品を販売する戦略だ。
多くの企業はひとつの製品だけではなく、次から次へと新しい製品を開発し市場に投入して成長を図っている。
最後に、多角化戦略。
新製品をもって新しい市場へと進出するのを多角化戦略という。
他の企業を買収してその分野に進出することも多角化に含まれる。
ある市場において企業が永続的に利益を得ることはたやすいことではない。製品が陳腐化してしまったり強烈なライバルの登場、もしくは環境の変化によりその市場が衰退してしまうリスクを常に抱えている。そのために企業は、ひとつの製品、ひとつの市場だけではなく、新製品を開発し新市場を開拓していくことが求められるといえよう。
ただしその場合においても、まったくノウハウを持たない市場に進出して失敗したり、多角化しすぎて経営資源が分散してしまうというリスクがあることも考慮する必要がある。
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